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美容や健康に敏感な方にとって、気になる話題のひとつが「セルフホワイトニング」です。セルフホワイトニングは、短時間で簡単に白い歯を手に入れられるのが魅力なため、忙しい毎日の中でもしっかりケアしたい方の間でとても注目されています。しかし、いざ始めようと思っても「歯や歯茎に悪影響はない?」と不安になってしまうこともあるでしょう。
この前編では、セルフホワイトニングの基本的な仕組みや安全性、効果が出にくい理由、そしてよくあるリスクについて徹底的に解説します。
なお、セルフホワイトニングには自宅で行うものやサロンで行うものなど様々な種類がありますが、この記事では主にサロンで行うセルフホワイトニングについて解説していきます。
この前編では、セルフホワイトニングの基本的な仕組みや安全性、効果が出にくい理由、そしてよくあるリスクについて徹底的に解説します。
セルフホワイトニングとは?
セルフホワイトニングとは、ホワイトニングサロンなど専用店舗でご自身の手で行う歯のホワイトニング方法です。
歯科医院のように歯科医師や歯科衛生士ではなく、サロンスタッフから使い方の説明を受けて、利用者自身が専用機器や溶液を使用します。
セルフホワイトニングは、コーヒーや紅茶、たばこなどによる「歯の表面に付着した着色汚れ」を落とすことが主な目的で、普段のブラッシングではなかなか取り除けないような頑固な汚れにもアプローチすることができます。また、比較的リーズナブルな料金で短時間にでき、手軽に歯の美しさが保てるのも人気の理由です。とくに、お仕事の後や休憩時間に立ち寄って利用するという方も少なくありません。
セルフホワイトニングは、医師の処方や管理が不要な安全性の高い成分を使用しているため、歯や歯茎への刺激も少なく安全性が高いのも魅力です。ただし、歯の内側へアプローチして歯そのものを漂白する方法は歯科医院でのみ可能で、一般のサロンでは行えません。加えて、虫歯やその他の口腔トラブルを解消したいという場合も同様にサロンで診ることはできませんので、その点は理解しておきましょう。
セルフホワイトニングは本当に安全?安全性を解説!
セルフホワイトニングは、ご自身で手軽に行える歯の美白ケアとして広く支持されていますが、その安全性について気になる方も多いでしょう。結論から言うと、適切な方法で利用すればセルフホワイトニングはとても安全な手段といえます。
多くのセルフホワイトニング製品やサロンでは、過酸化チタンなど食品レベルで安全な成分を使用しており、身体への影響も心配ありません。
歯科医院で使用される強力な薬剤(過酸化水素や過酸化尿素)とは異なり、一般の方でも安全に扱える濃度・成分で作られています。そのため、医師の管理が不要であり、歯や歯茎へのダメージが少ないホワイトニングの一つです。
セルフホワイトニングで歯が白くならない理由はなぜ?

ここまで、セルフホワイトニングの安全性についてお話しました。
セルフホワイトニングはマイルドな溶液を使用することで、歯や歯茎への負担もおさえながら美しい歯を手に入れられる方法です。
しかし、一方で、「白くならない」「効果がない」という声も聞かれます。その理由を、ここでまとめて解説していきます。「セルフホワイトニング」について正しく理解してから利用することで、高い満足度と適切な選択・ケアができるでしょう。
サロンと歯科医院では成分が異なるから
セルフホワイトニングで「白くならなかった」と言われる原因のひとつに、強い成分を使えないため、歯の内側起因の黄ばみにアプローチできないことにあります。
多くのセルフホワイトニング製品は主に重曹や炭酸カルシウム、酸化チタンなどの成分で、歯の表面の汚れやステインを分解・除去することに特化しています。しかし、歯の内側起因の着色には対応することができません。
一方、歯科医院で行うホワイトニングでは、15〜35%の高濃度過酸化水素を専門の歯科医師が適切に管理し使用するため、歯の内部の色素を分解し、歯そのものの色調が変わってきます。
歯の内側起因で歯が黄ばんで見える理由は、老化によってエナメル層が薄くなってしまい象牙質の色が出てしまっている場合や、生まれつきの体質によるものであったり、成長中のトラブルなどが挙げられます。歯の黄ばみが内側起因のものであるとすでに分かっている方は、セルフホワイトニングではなく歯科医院を利用した方が実感を得られる可能性が高いです。ただし、歯や歯茎へのダメージも考慮して選択することをおすすめします。
歯科医院のように専門的なケアができないから
セルフホワイトニングで「白くならない」と言われる理由には、歯科医院のような専門的なケアが受けられないことも挙げられます。
セルフホワイトニングではサービス前の口腔内チェックや専用機器による処置は行われません。そのため、虫歯や歯石の有無、着色の原因や種類など個々の歯の状態に応じた最適なケアができません。例えば、虫歯による歯の変色や加齢による黄ばみなど、歯の内部からくる色の変化はセルフホワイトニングでは改善できず、歯科医師による診断と適切な処置が必要になります。
歯科医院では専門的な診断のもと、最適な溶液や方法を選択するため、より高いホワイトニング効果が期待できます。一方、セルフホワイトニングでは一律の処置になるため、効果のばらつきも生じやすく、「効果がない」「自分に合っていない」と感じるケースもあるのです。
セルフホワイトニングで「効果がない」と感じるのは、方法そのものが間違っているわけではなく、期待値や歯の状態とのミスマッチによるものも大きいです。セルフホワイトニングを利用する際は、「表面の着色汚れは落ちるけれど、内側の黄ばみは白くならない」ということを理解したうえで利用するようにしましょう。
セルフホワイトニングのよくある3つのリスクとは?

セルフホワイトニングの安全性は基本的に高いとされていますが、完全にノーリスクというわけではありません。とくに「効果を実感できない」「仕上がりに満足できない」「歯の状態を見落としてしまう」などのリスクは、実際に利用した方からも聞こえる話です。
ここでは、セルフホワイトニングを検討するうえで知っておきたい、よくある3つのリスクについて詳しく解説します。
①歯が白くなったと感じられないことがある
セルフホワイトニングは、主に重曹や炭酸カルシウム、酸化チタンなどを使い、歯の表面に付着したステインや汚れを浮かせて落とす仕組みです。そのため、歯の内部に浸透して色素を分解する漂白作用はなく、「歯の色味自体を変える」ことは難しいとされています。
特に、加齢によって象牙質が厚く黄味が強くなっている方や、生まれつき歯の色が濃い方、発育上のトラブルで黄色く変色した方は、セルフホワイトニングでは本来の白さを取り戻す程度に限界が生じ、目に見える大きな変化を感じにくい場合があります。
また、セルフホワイトニングの効果は、歯の着色の種類や程度にも左右されます。そのため、期待通りの白さを実感できず「効果がない」と感じるケースもあるでしょう。セルフホワイトニングを受ける際は、こうした特性を理解し、過度な期待を控えることが大切です。
②仕上がりにムラが出ることがある
セルフホワイトニングやサロンでの自己施術型の場合、溶液の塗布の均一性やライトの光の当たり具合にばらつきが出やすく、その結果、歯の白さにムラができてしまうことがあります。特に、奥歯や歯の裏側など手が届きにくい部分は溶液が十分に行き渡らず、光も均等に当たりづらいため、白さに差が生じやすいです。
さらに、歯の表面のエナメル質の厚さや質の違いも、同じ溶液でも効果の現れ方に差を生み、まだらな仕上がりとなることがあります。
こうしたムラを防ぐには、溶液の塗布や照射方法に注意を払い、できるだけムラなく均一に塗布することが大切です。
③歯や歯茎の状態を正確に把握できない
セルフホワイトニングは医師の診察や検査なしに手軽に行える利点がありますが、その反面、虫歯や歯周病、知覚過敏の兆候があっても気づかず進行してしまうリスクがあります。特に研磨剤入りのホワイトニング歯磨き粉を併用しすぎたり、虫歯・歯周病を放置したままにすると、セルフホワイトニング以前に悪化のリスクがあるので、未治療の口腔内トラブルがある場合は歯や歯茎に負担をかけてしまう恐れもあります。
また、歯の表面に微細なひび割れやエナメル質の損傷があると、痛みや不快感が生じることもあります。こうしたトラブルを未然に防ぐためには、セルフホワイトニングを始める前に歯科医院で口腔内の状態をしっかり検査・診断してもらうことが重要です。安全面を確保しながらセルフケアを効果的に行うために、自身の歯や歯茎の健康状態は正しく理解しておくようにしましょう。
まとめ
「セルフホワイトニングの安全性とは【前編】」ではセルフホワイトニングの基本的な仕組みや安全性、効果が出にくい理由やリスクをご理解いただけるよう意識しました。
「セルフホワイトニングの安全性とは【後編】」では歯科医院で行うホワイトニングの種類や、安全なセルフホワイトニングを選ぶための具体的なポイントをご紹介し、自分に合った最適なホワイトニング方法を安心して選べるよう、具体的な選び方や考慮ポイントをご紹介します。



