歯を白くする方法とは?黄ばみを防いできれいな白さを保つ方法

歯磨きをしても落ちない歯の黄ばみは悩みの種となりますよね。歯の色は人それぞれ異なりますが、より白い歯を目指したいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。今回は、簡単に歯を白くして黄ばみを取る方法をご紹介します。 また、自力でのケアに限界を感じている方向けにホワイトニングの種類とメリット、歯科医院とサロンの違いについても解説しますので、歯の色でお悩みの方は、参考にしてみてください。


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歯を白くする方法!簡単に黄ばみを取るには


歯科医院でのホワイトニングのほかにも、黄ばみを取り、歯本来の白さに近づける方法はあります。ここでは、セルフで簡単に歯を白くする方法を紹介します。

ホワイトニング用の歯磨き粉

ホワイトニング用の歯磨き粉なら、歯科医院に通わずに自宅でケアすることが可能です。いつもの歯磨き粉をホワイトニング用に変えるだけなので、特別な準備や手間もかかりません。

一般的な歯磨き粉より価格は高くなるものの、歯科医院でのホワイトニングと比べると、費用を大幅に抑えられるのがメリットです。

歯の消しゴム

歯の消しゴムは、歯についた着色汚れを手軽に落とせるアイテムです。白くしたい部分をやさしく擦るだけで、即効性があるため歯の汚れが気になるときにすぐに対処できます。

ただし、商品によっては研磨剤が入っていることがあり 、強く擦りすぎると歯に傷がつくおそれがあります。力を入れすぎないよう注意して使用しましょう。

歯のホワイトニングマニキュア

簡単に歯を白くする方法として、歯に塗るマニキュアもあります。

使い方は、歯をきれいに磨いて水分を拭き取り、1本ずつ薄く塗るだけです。

厚塗りすると乾くのに時間がかかるため、薄く均一に塗るのがポイントです。効果が実感できない場合は、乾いた後に重ね塗りしても構いません。

即効性があり手軽に使える一方で、持続力が低く、塗り方によってはムラや剥がれが生じやすい点がデメリットです。

重曹

食用の重曹を歯の着色汚れに使用する方法もあります。 

使用方法にはいくつかのやり方があります。最も簡単なのは、歯磨き粉を付けた歯ブラシに重曹を振りかけてブラッシングする方法です。

ほかにも、重曹をペースト状にして歯に塗布し、綿棒でやさしくなじませた後、よくすすぐ方法や、重曹水でうがいをする方法もあります。

ただし、効果には個人差があり、強く磨くと歯を傷つけるおそれがあるので、あまり推奨しません。

電動歯ブラシ

ステイン除去機能が付いた電動歯ブラシは、歯の着色汚れのケアに活用できます。

ステインとは、歯の表面に付く食べ物や飲み物による着色汚れのことです。特に喫煙習慣のある方や、コーヒーや紅茶を愛飲している方はステインが付着しやすい傾向にあります。

ステインは通常の歯ブラシでは落としにくいため、歯の着色汚れが気になる場合は電動歯ブラシに替えてみるのも良いでしょう。

歯が黄ばむ理由【内因性の場合】

歯が黄ばむ理由には、主に「内因性」と「外因性」の2つがあります。まずは、歯が黄ばむ内因性の理由について紹介します。

生まれつきの歯の色が黄ばんでいる

歯が黄ばんで見える理由として、生まれつきの歯の色が黄ばんでいることがあげられます。

歯は、外側からエナメル質、象牙質、歯髄の組織でできています。外から見ると半透明のエナメル質に覆われ、内側の象牙質の色が透けている状態です。

歯の色は、内部にある象牙質と表面のエナメル質の厚さや色によって決まります。象牙質の色やエナメル質の透明度は、肌や髪の色のように個人差があり、人それぞれ異なります。

象牙質がもともと黄色味を帯びている場合は、その色がエナメル質から透けるため歯が黄ばんで見える場合があります。また、エナメル質が薄い場合も、象牙質の色が目立ち歯が黄色く見えるのです。

日本人を含めたアジア人は、他の人種よりもエナメル質が薄いため、生まれつき黄色っぽい歯をしている方が多い傾向にあります。

加齢によって変色している

加齢による変色も、歯の黄ばみの原因のひとつです。

年齢を重ねると、神経を守るために象牙質が分厚く濃い色になっていく傾向があります。象牙質の黄色味が強くなるため、エナメル質から色味が透けて歯が黄ばんで見えてしまうのです。

エナメル質は、長年の歯磨きによる摩耗や食事の際の酸の影響で溶けて薄くなります。エナメル質が薄くなるため、黄色味が強くなった象牙質が透けて、歯が黄色く見えてしまうのです。

歯の神経がない

歯の神経が無い場合も、黄ばんで見えることがあります。虫歯治療によって神経を取り除いた歯や、何らかのダメージを受けた歯は時間が経つと変色していくのが特徴です。

根管治療では神経と血管でできている歯髄を取り除くため、歯の中の血流がなくなり、代謝も失われます。しかし、象牙質の中にある細い管に不要な物質が入り込むのは防げません。不要な組織や物質は排除もされずに詰まってしまいます。

その結果、象牙質のコラーゲンなどが古くなり、歯の色味が徐々にくすみ、茶褐色や灰色に変色してしまうのです。変色した歯は、前歯だと特に目立ってしまうでしょう。

歯が黄ばむ理由【外因性の場合】

ここからは、歯が黄ばむ外因性の理由について紹介します。

飲食物による色素沈着

着色しやすい飲食物を継続して摂取すると、歯の黄ばみにつながります。

色素沈着が起こりやすい主な飲食物は次の通りです。

・カレー
・醤油
・ソース
・ケチャップ
・緑茶
・コーヒー
・赤ワイン など

上記の飲食物には、ポリフェノールやカフェインなどの着色汚れになりやすい成分が含まれています。これらが歯のエナメル質に付着し、ステインが徐々に蓄積していくことで歯の黄ばみとなるのです。

喫煙

喫煙も歯が黄ばむ理由のひとつです。タバコには、ニコチンやタールなどの有害物質が多く含まれています。

タバコを吸ったときに歯の表面についたタールが、歯面全体を覆うペリクルと結びつくと歯が着色してしまいます。タールは粘着性があるため歯の表面に付着しやすく、飲食物の色素をくっつける性質をもっているのです。

また、タバコを吸い続けていると歯茎まで変色する可能性があります。タバコに含まれるニコチンには血流を悪くする作用があるため、歯茎に十分な血液が行き渡りにくくなり、歯茎の健康も損なわれます。

そして、タールは黒ずみの原因となるメラニン色素を生成するため、歯も歯茎もさらに黒ずんでしまいます。

タバコによる歯の黄ばみについては、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
歯についたタバコのヤニの落とし方!黄ばみの予防方法や保険適用についても解説

脱灰や再石灰化

歯の黄ばみには、歯の脱灰や再石灰化も関係しています。

口腔内は、歯のエナメル質にあるミネラル成分が溶け出す「脱灰」と、溶け出したミネラル成分が唾液の作用によって再びエナメル質に戻る「再石灰化」を繰り返しています。

2つのバランスが崩れて「脱灰」が進んでしまうと、エナメル質のツヤがなくなって歯が黄ばんで見えることがあります。またエナメル質が薄くなり、象牙質の黄色味が強く透けてしまう場合もあります。

健康な歯を保つためには、脱灰と再石灰化のバランスの維持が重要です。食生活の習慣を整え、毎食後の歯磨きで2つのバランスを維持できます。

毎日の簡単習慣!黄ばみを防いで歯を白く保つには

せっかく歯を白くしたのなら、できるだけ白い状態をキープしたいものです。汚れが落ちたのに「すぐに黄色くなってしまった」「元に戻ってしまった」を避けるために、次のことを心がけましょう。

食べ物や飲み物に注意する

歯の白さを保つためには、歯に着色汚れがつかないような生活習慣が大事です。

そのためには、まず歯の着色汚れの原因となる食べ物や飲み物を避けることです。

ポリフェノールが含まれた食べ物や飲み物を摂取すると、歯にステインが付着しやすくなります。白い歯を保つためには、コーヒーや紅茶、緑茶、赤ワインやチョコレートなどポリフェノールが含まれたもの、またカレーなど色が濃い飲食物は控えると良いでしょう。

もしもこれらの飲食物を口にした場合は、食後口の中を水でゆすぐようにして、ステインが歯に付着するのを予防しましょう。

口の乾燥を防ぐ

唾液には歯の表面にいわば膜を張り、歯に汚れが付着しにくくする作用があるため、歯が乾燥した状態で飲食をすると、歯が着色しやすくなります。

歯の白さを保つには、口の中がうるおった状態の維持も欠かせません。飲食の前に水を飲む、キシリトール配合のガムを噛むなど口腔内の環境を意識して、口の中の乾燥を防ぎましょう。

強く磨きすぎない

歯を白くするために強く磨きすぎると、歯の表面のエナメル質に傷がつきます。エナメル質に傷がつくと、かえって食べ物や飲み物によるステインが付きやすくなるので注意が必要です。

また、歯を磨きすぎると、エナメル質が削れてしまい、知覚過敏を引き起こす要因となることもあります。

歯を磨くときは、歯に傷をつけないようにやさしくていねいに磨きましょう。着色汚れを無理やり落とそうとすると歯にダメージを与えるので注意してください。

定期的なクリーニングをする

歯科医院での定期健診や歯のクリーニングも効果的です。

歯科医院でのクリーニングでは、普段の歯磨きで除去するのが難しい歯石などを専用の機械を使って削り取ります。歯の黄ばみが歯石によるものであれば、クリーニングで歯が白くなる可能性もあります。

また、歯と歯の間や奥歯、歯の裏側など磨き残しが起きやすく、歯垢が溜まりやすい部分もしっかりと掃除してもらえるので、歯本来の白さを取り戻すこともできるでしょう。

加えて、定期健診や歯のクリーニングを行うと、虫歯や歯周病の予防、また早期発見にもつながります。歯と歯茎の健康のためにも、歯科医院を定期的に受診するのはおすすめです。

禁煙する

タバコに含まれるタールの成分は、着色汚れの原因です。さらに、ヤニは粘着性があり、食べ物や飲み物に含まれている色の成分を歯に定着させてしまいます。

歯の白さを保ちたいなら禁煙するのもひとつの方法です。

ただし、タバコの吸い方や喫煙後のケアによっても黄ばみを抑えることはできます。詳しい方法については、以下の記事をご覧ください。
歯についたタバコのヤニの落とし方!黄ばみの予防方法や保険適用についても解説

自力でのケアに限界を感じたらホワイトニングがおすすめ

セルフでのケアを続けているものの、「効果が実感できない」「理想の白さにならない」場合は、専用の薬剤で歯を白くするホワイトニングがおすすめです。

ホワイトニングには、さまざまな方法があります。ここからはホワイトニングの種類や特徴、メリットを解説します。自分に合ったホワイトニング選びの参考にしてください。

ホームホワイトニング

歯科医院で自分の歯に合ったマウスピースを作ってもらい、薬剤を使って自宅で行うホワイトニングです。マウスピースに薬剤を入れ、それを1日数時間程度装着することでホワイトニング効果を得ます。

低濃度の薬剤を使用するため即効性はありません。しかし、自宅でできるのでクリニックに通う手間がない点がメリットです。また、ホワイトニング効果も持続しやすいといわれています。

オフィスホワイトニング

歯科医院で行うホワイトニングです。メリットは、歯科医院専用の高濃度の薬剤を使って行うので即効性が高い点です。短期間で効果を実感したい、自宅で毎日ケアするのが面倒といった方にぴったりの方法といえます。

しかし、高濃度の薬剤を使用する分、歯がしみる可能性もあります。効果の持続期間はホームホワイトニングと比較して短めで、金額が高いのがデメリットです。

デュアルホワイトニング

オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの両方を行う方法です。オフィスホワイトニングによって短期間で歯を白くし、白い歯を維持するためにホームホワイトニングを繰り返して行います。

両方のメリットを活かした、即効性とホワイトニング効果の持続を両立させることができるホワイトニングです。色ムラがほとんどなく、きれいな仕上がりになるのもメリットといえます。

ただし、両方の費用がかかるため、その分金額は高くなります。

セルフホワイトニング

セルフホワイトニングは、歯科医院で歯科医師や歯科衛生士に施術してもらうのではなく、ホワイトニング専用のサロンに行き、セルフで施術を行う方法です。店舗によってはスタッフが使用方法を説明することもありますが、無人の店舗もあり、基本的に施術はすべて 自分でホワイトニングを行います。

サロンでは、歯科医院のように歯科医師や歯科衛生士が在籍していないため、歯科医院で使用するような即効性の高い薬剤は使えません。代わりに専用の溶液を使用し、複数回通うことで白い歯を目指します。そのため、1回あたりの費用は他のホワイトニングと比較すると安価です。

ホワイトニングの種類や費用については、以下の記事で詳しく解説しています。
ホワイトニングの4つの施術方法!費用や効果を徹底比較!

歯科医院とサロンにおけるホワイトニングの違い

ホワイトニングをするとき、歯科医院とサロンのどちらで行ったら良いのか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。

ここでは、ホワイトニングに関する歯科医院とサロンの違いを解説します。

違い1:成分

歯科医院では、過酸化水素水や過酸化尿素といった高濃度の薬剤を使用します。

なかでも過酸化水素水には色素を分解する作用があり、歯の内側から漂白するため、高い効果が期待できます。

一方、サロンでは、ポリリン酸や酸化チタンといった溶液を使用するのが特徴です。

歯科医院の薬剤より濃度が低いものの、歯の表面についた着色汚れを分解し、本来の白さに戻すクリーニング効果が期待できます。

違い2:施術者

歯科医院でのホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士といった国家資格を持つ専門家が施術をします。

医療従事者による施術のため、強力な薬剤の使用が可能で、より高い効果を得られるのが強みです。歯をしっかり漂白して白さを求めたい方は、歯科医院でのホワイトニングが適しています。

一方、サロンでは歯科医師などの医療従事者が在籍していないため、医療行為にあたらない範囲でのホワイトニングを、利用者自身が行う形になります。使用する溶液や機器も、専門的な資格を必要としないものに限定されます。

サロンを選ぶ際は、スタッフの経験や知識、使用する機器の安全性などを事前に確認することが大切です。

違い3:効果の持続

歯科医院のホワイトニングは高濃度の薬剤を使用するため、効果は半年~1年程度と長く持続するのがメリットです。

また、虫歯などがある場合は治療をしてからホワイトニングを実施できるため、口の中の環境を良好に保つこともできます。

一方、サロンでは低濃度の溶液を使用するため、効果の持続期間が数時間~数週間程度と短めです。ただし、溶液が歯にしみることが少なく、痛みに敏感な方には適している場合があります。

違い4:費用

歯科医院で行うホワイトニングの費用は、一般的に10,000円~80,000円程度が相場です。施術の内容や薬剤の種類によっても異なりますが、サロンのホワイトニングよりも高額になる傾向にあります。

一方、サロンでのホワイトニングは1回あたり3,000円~5,000円程度と安価です。特定のコースやキャンペーンをうまく活用すれば、より安くホワイトニングの施術をすることが可能です。

ホワイトニングの相場と追加費用については、以下の記事でも詳しく紹介しているので参考にしてください。
ホワイトニングの値段の相場|追加でかかる費用も徹底解説!

まとめ

歯科医院に行かなくても、セルフケアで歯を白くできます。この記事で紹介した方法はどれも簡単にできるものなので、自分に向いていると思えるものを実践してみてはいかがでしょうか。

また、セルフでのケアに限界を感じたら、歯科医院やサロンを利用した本格的なホワイトニングを検討してみてください。

▼監修者プロフィール

 

 

 

 

 

中谷 一空(なかたに かずあき)
医療法人社団一志会 木更津きらら歯科 理事長

福岡歯科大学医科歯科総合病院の歯周病科および口腔インプラント科にて臨床経験を積み、現在は「木更津きらら歯科」の理事長として、予防から審美・インプラントまで幅広い歯科医療に携わる。
専門性の高い治療技術と豊富な知識を活かしながら、患者一人ひとりの悩みに丁寧に寄り添い、安心・安全で納得感のある医療提供を心がけている。
警察歯科医・海上保安歯科医としての公的活動をはじめ、美容・アンチエイジング・スポーツ歯科など多分野にも対応。長年にわたる臨床と地域医療への貢献が認められ、東久邇宮国際文化褒賞を受賞するなど、幅広い実績を持つ。

所属学会・資格:
日本歯周病学会 認定医/日本口腔インプラント学会 専門医/国際口腔インプラント学会(ICOI:FELLOW)認定医/国際コンテンポラリー歯科学会(iACD) 理事/日本歯科審美学会 会員/日本スポーツ歯科学会 会員/アジアアンチエイジング美容協会 名誉顧問/臨床研修指導歯科医/木更津市 警察歯科医/海上保安歯科医

※一部の内容(歯の消しゴム、ホワイトニングマニュアルに関する記述)は、医師監修対象外です。

木更津きらら歯科

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