目次
歯の色が与える印象とはどんなもの?
まずは、歯の色が与える印象についてみていきましょう。
黄ばんだ歯は印象が悪くなる
歯に黄ばみが目立つと「汚い」という印象を持たれてしまうことがあり、老けて見られたり、ネガティブな印象を与えてしまったりすることがあります。特に初対面の人に対しては、内面がよくわかっていないぶん、歯の色が与える印象は大きいでしょう。
微笑んだときに黄ばんだ色の歯が見えると、歯を磨いていないのではないかと疑われてしまうこともあるかもしれません。歯の色が汚くなっていると、毎日きちんと歯を磨いている方でも、どうしても不潔な印象を与えてしまう可能性があります。
きれいな白い歯は好印象を与える
きれいな色の歯はポジティブな印象を与えることが多いです。特に初対面でお互いのことをよくわかっていないようなときには、歯の色がきれいだというだけで、無意識に好意的な印象を与えることができるのではないでしょうか。
白い歯は清潔な印象を与えるため、笑顔も素敵に見えます。白目と歯が同じくらいの白さだと、より好印象です。誠実そうだと思われることや、実年齢よりも若く見られることも多くなります。
また、歯のきれいさが与える影響は、印象だけではありません。自分に自信が持てるなど、自己肯定感の向上につながっている人は多いです。

生まれつき真っ白な歯を持つ人は少ない!
ここまでで、白い歯と黄色い歯が与える印象について解説してきましたが、実は生まれつき真っ白な歯を持つ人は少ないといわれています。
歯は、中心部の神経とその外側の象牙質、表面のエナメル質の3層構造です。生まれたときの歯の色は、エナメル質の厚みや象牙質の色で決まります。象牙質の色は黄色っぽい人や白っぽい人などさまざまです。
エナメル質は半透明であるため、象牙質が透けて見えます。そのため、象牙質の色がそのまま見た目の印象に影響します。
加えて、エナメル質が薄い場合は象牙質の色がより濃く見え、厚い場合は象牙質の色が透けにくいため、白く見えることが多いのです。
特にアジア系の人は、欧米の人に比べて象牙質が黄色っぽく、エナメル質が薄いため、歯が黄色っぽく見えやすいともいわれます。そのため、日本人は、ホワイトニングをしても歯が真っ白になりにくいのです。

歯の色が後天的に変わる原因
上記で紹介した通り、歯の色には生まれつきの個人差がありますが、後天的に変わることもあります。生まれつきの色よりも白くなることは考えにくいのですが、より黄色っぽくなったり黒っぽくなったりすることは珍しくありません。
ここでは、歯の色が後天的に変わる原因を解説します。
飲食物による影響
歯は飲食物の影響を強く受けています。飲食物に含まれる成分のうち、歯の色が黄ばむ原因になるのはポリフェノールやタンニン、カテキンなどです。これらの成分が唾液と混ざることでステインという着色汚れに変化し、歯の黄ばみを促してしまうのです。
ポリフェノールが多く含まれる飲食物は、主にチョコレートやカレー、コーヒー、赤ワインなど色の濃いものが多くあります。タンニンやカテキンはお茶に多く含まれているので、日常の中で知らず知らずのうちに、着色してしまっている可能性があります。
喫煙の影響
タバコも歯の黄ばみの原因です。唾液には「ぺリクル」という成分が含まれており、飲食物による歯への刺激を守ってくれています。
この「ぺリクル」という成分はタバコに含まれる「タール」と結びついてしまう特性があります。タバコを吸うと口内に煙が入り、煙に含まれる「タール」と歯の表面に付着している「ぺリクル」が結びつき、黄ばみを発生させてしまうのです。
また、タバコによる汚れはステインよりも粘着力が高く、歯に付着してしまうとなかなか落ちません。
少量の汚れであれば、こまめに歯磨きすることで洗い流すことができますが、習慣的に喫煙していると汚れを落とすのは難しいでしょう。
加齢による影響
子供の頃や若い頃は歯が白くきれいだった人でも、30代や40代になってから歯の色が気になってくることもあるでしょう。タバコは吸わず、食生活も若い頃から特に変化していない人でも、歯の色が少しずつ黄色くなってくることがよくあります。
そのような場合には、加齢による影響が大きいです。
年齢を重ねると歯の表面のエナメル質が薄くなり、歯の色が黄ばみやすくなります。エナメル質よりも内側にある象牙質が透けて見えることで、歯の黄ばみが目立ってしまうのです。
歯磨きやクリーニングの不足
日々のケアやクリーニングが上手にできていない場合は、歯が黄ばんでくるおそれがあります。一度の不足ですぐに汚れるわけではないものの、落としきれていない汚れが蓄積すると、自分の力ではどうしようもない状態になってしまうこともあるでしょう。
しかし、汚れを落とそうとして強く磨きすぎるのも問題です。過度な力で磨くとエナメル質が傷つき、汚れが付着しやすくなってしまいます。適切な力で汚れを落とすように心がけましょう。
実は、日本人は欧米人に比べると歯のクリーニングへの意識が低く、定期的に歯科クリニックに通う方が少ないともいわれています。欧米では、歯並びや歯の綺麗さは出世に直結するとも考えられており、幼い頃からクリニックに通うことが習慣化しています。
定期的なクリーニングによって、普段のケアが行き届かない部分を補うこともできるため、意識を高める必要があるでしょう。
歯髄の壊死
重い虫歯や打撲によって歯のいちばん内側にある神経(歯髄)が死んでしまうと、歯の色はどんどん黒ずんでしまいます。すぐに黒ずむわけではなく、数か月から数年かけて徐々に変色します。
治療で神経を抜いた場合も同じように変色が起こります。変色のほかにも脆くなるリスクがあり、最悪の場合は抜歯につながるおそれがあるため、神経を抜いた歯がある場合は、クリーニングと同時にクリニックでの経過観察が必要です。

歯の色をきれいにする方法
歯の色をきれいにする方法はさまざまですが、なかでもホワイトニングは一般的な方法です。ホワイトニングとひとことで言っても、種類は多岐にわたります。選ぶときは、費用や口コミを確認して選びましょう。
また、ホワイトニングは、歯医者で行う方法と、自宅で行う方法があります。ここでは、それぞれの特徴を解説します。
歯医者で行うホワイトニング
歯医者で行うホワイトニングは、短期間で白くなるのが特徴です。歯科医師が施術するため、安心感もあるため人気があります。
ただし、健康保険が適用されないこともあり、費用が高くなってしまうことが難点です。また、ホワイトニングは一度では終わらず、定期的に通院しなければなりません。
自宅で行うホワイトニング
自宅でホワイトニングをする場合は、一度歯医者に行く必要がありますが、その後は通院が必要ありません。歯医者でマウスピースを作り、それを日常的に使用してホワイトニングケアを行うからです。
そのほか、市販の歯磨き粉を使用して自宅でホワイトニングをすることもできます。
歯磨き粉は、歯の表面を汚れから守ってくれる成分が配合されているものを選びましょう。主に「ポリリン酸ナトリウム」、「ヒドロキシアパタイト」が含まれているものがおすすめです。それらの成分は歯の表面をコーティングしてくれて、汚れや着色から歯を守ってくれます。
普段使用している歯磨き粉にそれらの成分が配合されているか確認してみてください。もしも、配合されていない場合は、歯磨き粉を変えてみることを検討しましょう。
ただし、市販されているホワイトニング用の歯磨き粉の中には、研磨剤を配合している商品があるため、注意が必要です。研磨剤は歯のエナメル質を傷つける要因となるため、含まれていないものを選ぶようにしましょう。

まとめ
歯の色が人に与える印象は大きいです。黄ばんでいる歯だとネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。白くきれいな歯は、相手にポジティブな印象を与え、自分でも自信を持つことができるでしょう。
また、飲食物や加齢などにより、どうしても歯は黄色っぽくなってしまいますが、ホワイトニングで本来の歯の色に近づけることは可能です。歯の色に悩んでいる人は、ぜひホワイトニングで白く輝く歯を手に入れましょう。